さわらいど

さわらいど

ブルベ6年目の大学生→社会人。主に自転車ロングライドが中心。山形転勤おじさん。酒田の地から。

【ブルベ】BRM220 花園200(2016)―おしまいはいつも雨ー

スタートまでのあらすじ

8ヶ月ぶりのブルベということで僕が選んだのが、ランドヌ東京の花園200だった。2016年のスタートとしてこのブルベを走ることにした理由はとてもシンプルで、同じ亀太郎のしほさんが主催を務めるブルベだから、っていう、それだけの理由。

はしりたい。いや、走るしかない。

とかいいつつ走るまでの道程は楽なものではなかった。いや、楽にしなかったのは僕のせいだ。うん。実際走るまでのほうが大変だったかもしれない。ごめんなさいマジで。

「遅刻したらほにゃららだからね!」ということで、うわあごめんなさいごめんなさいという気持ちの中、当日を迎えることになった。

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というわけで当日の朝は、03:50に起床。パン1枚食べて家を出発し、到着したのが05:25。ほにゃらら回避。

たっくんさんやけーこさん、ぬまっこ、黒スコさんなど、先に到着していた亀太郎のメンバーに挨拶。山の子さんもお見送りに来ていた。旦那さんがいないじゃないかと思っていたら旦那さんきたー!ブリーフィング間に合ってホッと一息。

ところで、今回は200ブルベということで、ヘットライトやら何やらの灯りで前進ホタルみたいな人たちがいっぱいいるはず。なのにスタート地点に着いてみると、参加者の姿はほとんどいない。しほさんが「30人いないと思う」というと、???って気分になる。*1

なぜこんなに参加者が少なかったのかというと、前日からの天気予報で、「暴風雨」という予報が出ていたからだ。最大で20~40㍉とまで予報で出ているこの雨雲は、フィニッシュ頃に東京・神奈川上空を覆い隠す。スタート時には降っていなくても、時間がかかれば掛かるほど雨脚は強さを増していく。最初からこんな雨が、このクソ寒い2月に降るなんて知ってて、わざわざ走りに行く人はそんなにいないだろうなあ。

僕は今回の雨でも走ることにした理由はとてもシンプルで、ルート上から自宅までが近いからだ。もし走行不能レベルの雨が降ったとしても輪行で帰ればいいし、予報より降らないことも十分にある。「走って考える」脳筋スタイルで行くことにした。

 

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しほさんの初ブリーフィングはシャッター音があちこちから聞こえてきて、ブリーフィングどころじゃなかった。さながら撮影会(しっかり聞いていましたよ)

車検を受けるために、自分のバイクに向かおうとする手前で「こーへーさんですよね」と声をかけられ、それがリョウ君だと気づくのには少し時間がかかった。大学生でブルベをやっているということで、ツイッター上で知り合った。大学生ブルベライダーはレアキャラなので、嬉しくなる。流れ的に、一緒に走ることにした。

ナオキさんに車検チェックをしてもらい、さあ走りだそう…と思ったら、旦那さんとぬまっこさんが停止していたので声をかけ、一緒に走ることに。いざ出発。

コースはこちら。

 

オダックス埼玉やAJたまがわなどのブルベで長野方面へと向かう際、通るのがここ花園だ。普段生活するにあたり、高速道路の情報で「花園」という名前を聴くようなことはあっても、実際どのような場所はわからない。今回はそんな花園が目的地。獲得標高はそれほどない。1300m程度の楽なコース。

果たして、8ヶ月にブルベを走る私は完走することができるのであろうか・・・?

スタート⇛PC1

 さて、まずは中原街道に出る。

「こーへー!コース違う!」????

声の主は旦那さん。やってしまった。キューシートNo,1にてミスコース。オトナチックに颯爽と走る自分をイメージしていたのに、ほんの10秒で崩壊した。

仕切り直し、仕切り直し。

中原街道を数キロほど走ったところで、先方に亀太郎ジャージ(マダム仕様)の方を発見。そのままキャッチしてみると、たっくんさんでした。恩恵にあずかり、その後ろをついていくことに。心強いです。感謝。

そのまま順調に事が進めばいいのだけども、んなうまく行かない。僕の自転車のチェーンがのびのびになっているらしく、チェーンが落ちそうになること数回。ついに聖蹟桜ヶ丘で完全に脱落。ここでも旦那さんのお世話になり、「うへえええええ」と頭を垂れます。なんとか2分ぐらいのタイムロスで済んだはいいけど、アウターで加速すると思いっきりインナーに落ちてしまうチェーンに対し、戦々恐々としながらペダルを回すことになりました。

日野あたりの住宅街は未だに慣れなくて、そのくせ坂が妙に続いてて~とぽやぽやしながら淡々と脚を回します。退屈かとおもいきやそうでもなく、旦那さんとの掛け合いのおかげで全然飽きることがなかった。というか、リョウ君についてきてもらってるから下手なこと全然できないと思って内心ドギマギし続けていたっていうのが事の真相だったりする。そのうち旦那さんとぬまっこさんが少しペースを落として走るようになり、たっくん率いる区間急行チームと時折差がでるようになった。旦那さんが、

「おじさんふたりはのんびりいくよ」

と言葉を残し、いったん別れた。

2年前に初めてこの道を走った時は、超高回転ダンシングを披露して思いっきり疲労を貯めた記憶がある。だけど今この道を走ると、そんなことないのどかでいかにも郊外らしく走りやすい道だということがよくわかる。思い込みが凝り固まることはいいもんじゃないとぼんやり感じた。

そんなこんなで、3時間ほどほとんど喋らずにPC1に到着。

 

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50分ほどのマージンを稼ぐことができた。リョウ君もついてきている。旦那さんとぬまっこさんも着いたみたいだ。

ガーミンも順調・・・ではなかった。よく見るとフリーズしてた。せっかく頂いたガーミンもこれではどうしようもない。*2今回はガーミン君に頼りきることを前提にキューシートもラミネート加工していない。

ということで、またもとに戻ってしまった。

空が濁ったような色がするので、そそくさと出発。次のPCは50km先の花園橋だ。

 

PC1⇛PC2

ここで旦那さんとぬまっこさんが居なくなってることに気付き、僕とたっくんとリョウ君の3人でスタートすることになった。

青梅の上り坂で前方を走っていたたっくんさんが突如スローダウン。「脚があっ」と何やら苦しそうな感じ。だけどトラブルではなさそうなので、ここからは僕とリョウ君2人で花園を目指すこととなった。

この登りでひとつ気付いたことがある。たぶんリョウ君僕より速い。だって、ぼくが時速8kmで可能な限り息を切らさないように走ろうと頑張っているのに、リョウ君はその横を息も荒らすことなくフツーの顔で走っているし。とても良い子だ。ここはしっかりと風格を見せなければ…と思っていたら、小曽木街道から飯能に行く道でミスコース。更に飯能駅前で左に曲がる交差点で直進してしまい、二回目のミスコース。リョウ君、すまない、こんなポンコツが先頭で。

そしてポンコツ先頭のまま飯能市街を抜け、高麗からR30経由で笛吹峠を登り、今市地蔵のところも左折し、PC2へ。

 

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ここでそれなりにマージンを稼ぐことができたので、1時間10分ほどの余裕を確保。

コンビニで買物を終わらせると、「こーへー!」と呼びかけてくる方がいたので、見てみたらそこにいるのは黒スコさん。「取材」を受けた直後に気付いた。あれ!?スタート一緒にいなかったっけ!?と。どうやらコンディションが微妙らしい。

このPCにも旦那さんとぬまっこさんたちはいない。そこに消えたのだろうか。たぶん、雨にやられないよう、ものすごいペースで今頃走っているのだろう。すごい。すごいぞ雨パワーと感嘆をあげてしまう。

さて、と、ちょっとお腹が空いたのでパスタをお昼に補給。外に出た瞬間に大粒の雨が振り出していることに気付いた。しかももう地面を濡らしている。路面状況はものの数分でウェットになった。

持ってきた雨装備を着用。ゴアテックスウェアだけが唯一の命綱だ。シューズカバーを忘れてしまったが、まあ走りだせばいろんなところが濡れてくるだろうし、問題ない。やけくそ気味でPC2を出発。

友達に教えてもらったステーキ屋に行くことも諦め、観光することもなく、PC3のある青梅へ再びトンボ返り。僕は一体何をしに来たのだろうか?(笑)

PC2⇛3

そこからは黙々と修行僧のように走った。わけではなく、リョウ君と一緒に「やべえ!」「雨の量ヤバすぎでしょ!」と大声を出しながら走った。なぜかリョウ君の顔が笑顔になっていることにも気付いた。雨で喜ぶ人種なのかもしれない?*3

この区間で印象に残っているのが、笛吹峠の登りでみた風景。鏡面で磨かれたようなアスファルトに自分の自転車が映り、周辺は針葉樹が等間隔で生えているこの道の風景がロマンチックだった。突然瞬間移動してしまったんじゃないかと思ってしまう光景をここでも見つけることができた。*4唯一雨で良かったと思えた場所だったと思う。雨なんてクソ食らえだ。たぶん。

飯能を再び通過する。雨が降っていなれけば、「ヤマノススメ」の聖地巡礼でも行おうと考えていたけれども、ここで立ち止まっていると完走が遠のいてしまう恐れがある。また晴れているときにでも寄ればいいや。*5

青梅に再び戻るまでに、2回ミスコースをした。ひとつは、青梅市街に戻る歳に黒澤二丁目の交差点を直進してしまったこと。もうひとつは、青梅の交差点を”鋭角に”曲がりすぎて、一方通行の道へと復帰してしまったこと。いずれも、最終的にはリョウ君が気づいてくれたからこそなんとかなっている。僕のキューシートは水にやられ、ボロボロになっている。リョウ君さまさまだ。

こうやって立ち止まっている間にも雨は容赦なく襲ってくる。体温が低下して、次第に震えが襲ってくると、恐怖。低体温症はもう二度とお世話になりたくない。

 

 

PC3のファミリーマートに到着し、暖を取るために肉まんとホットレモンを購入。あたたけえ…あたたけえ…*6 

 

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話す内容も「あーうちに帰りてえ!」「寒い!寒い!うおおおおお」とかもはや会話とは言えるレベルではなく、ひとりごとを呟いて精神をキープしている僕達。

「うおしゃいくぞ!」と声を出したところで、ブレーキシューの音。よく見るとぬまっこさんだった。あれ?後ろにいたの?「花園行く途中の笛吹峠で抜いてたよ~」とぬまっこさん。どうやら旦那さんはDNFしたみたいだ。ぐぬぬぐぬぬ・・・

とにかく雨寒すぎる問題が深刻になってきたので、PC3を出発。ゴール目指していざ出陣。

 

PC3⇛FINISH.

このコースは行きと帰りが基本的に同じだから、あとは間違えないようにしっかり走れば良いはず。よし、さっきもこの道は見た。よし、この交差点は右に曲がればいい。0.1km先を左折。その先2km右。よし!よし!よし!すべて順調。このまま先導してゴールへ一直線だ!

 

そんなことはなかった。

2km右折したはずのポイントで、次のキューシートと道が当てはまらないことに気付いた。この先の道にはこの名前の交差点がないはず。そう思って自転車を止める。後ろにリョウ君ともう一人赤いウェアの方がついてきていたのだが、その方だけ先に行ってしまった。もう一度地図をチェックする。あれ。ミスコースしている!再チェックしてみたら、直進しつづけると青梅に向かってしまうことが判明した!!

 

だいたいミスコースをした時の僕とリョウ君の会話は以下の通り。

リョウ君「ここおかしいですね…さっきと違う?」

ぼく「あー、そうみたいだね、ごめん。えーっと地図だと…ふむふむ、わかった!完全にわかった!よっしゃ行こう」

~~~~~進む~~~~~~~~

ぼく「あれ…、ちょっと変だな。もう一回チェックしていい?・・・・・・・・・あああああ!OK!左ね!了解!ごめん!」

 

このやりとりをこのブルベ中に何回繰り返したのだろうか。うおお。リョウ君がいないことを考えるとゾッとする。この後の道中でも僕は百草園経由で聖蹟桜ヶ丘に出て、連光寺の坂を登ると勘違いしていたのをリョウ君とぬまっこさんに救われているくらいなのだから、今回の僕がいかにコースを見落としていたのかがよくわかると思う*7*8

…というわけで、是政橋から再び川崎街道に合流するころには、日は落ち始め、予報では20mm/hの雨が降ると予想されている時間帯へ。さっきより雨脚が強くなっている気はするのだけど、3mm/hの雨と17mm/hでも雨は雨だから、ここまできたら大差なく感じた。誤差のレベルだ。

といっても、既にひどい雨量だったのか、川崎街道はあちこちに川ができていた。夕方のラッシュ時と相まって、道路のコンディションは最悪だ。それでもトラックやバイクに気をつけて、自分たちがここにいるということをライトでアピールすることができれば特に問題ないはずだ。問題は、とにかく、寒い!つらかった。*9

後ろを振り返ると、4人位のブルベライダーがついてきていた。これぐらいの雨量だと寧ろ明るくて目立つ格好をしている連中が走っているサインになって助かる。と同時に、これほどの人の前で走ることもなかったので、責任もより一層感じた。

溝の口までは交通渋滞や、信号前での路面駐車をしている輩に困らされていたのだけど、それ以降は快適なサイクリングになった。走りやすく、あとは事故やアクシデントに巻き込まれなければ大成功だ。

「川崎ミュージアム」の標識が見え、左折をすると見慣れた景色。スタートの公園だ!リョウ君が「おっしゃああああ!」と喜びの声。いや、マジ元気だわあ・・・。いつの間にか自分が老けてしまったのかも?笑 いやはやそんなことない・・・とぼんやりと考えていたら、灯りが見えてきた。まいばすけっとだ。

「よっしゃあああ!」と自然に声が出たのは僕のほうだった。全然老けているわけじゃないみたいだ。

店内を濡れネズミのままでいるわけにはいかないので、すぐゴール受付へ向うことに。今年からR東京はとどろきアリーナにゴール受付の場所を移している。暖房が効いていてありがたいことこの上なし。研修室に入ると、しほさんをはじめとしたR東京のスタッフの皆さんがいました。*10

認定タイムは12:27。

 

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走行中に狙えると思っていた12時間切りとはいかなかったが、及第点という走りだといえる。落車も無く走れればOKだ。

今回一緒に走ってくれたリョウ君には色々珍道中に連れ回してばかりだったけど、どうだったのだろうか?とにかくついてきてくれてありがとうといいたい。

そして最後まで待ってくださったランドヌ東京のスタッフみなさんもお疲れ様でした。

 さて、次のブルベはどこを走ろうか?

4月から一時的に長野へ移動しなければならないことを考えると、ブルベには正直出れる余裕が立たないので、エントリーしていない。エントリーしてから考えるという方法もあったし、そうしたら多分出ていたのだと思うけどなあ。そんなことをぼんやりと最近は感じながら過ごしているのだけど、なんだかんだ動き出してから考えてみてもいいなあ。

また走ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:速報リザルトだと24/76人ぐらいしかいなかった。およそ1/3くらいが最終的に出走したことに…

*2:後にただ単3電池を交換していないことに気付いた。

*3:たぶんそんなことはないはず。後で確認をとらねば

*4:これまでのベストは大平峠からR256へ降りていく道。

*5:セカンドシーズンのエンディングは雨だったから、まあこんな感じの風景になるのかな、レアだ!やったね!とも思っていたけど、立ち寄る心の余裕が無かった。

*6:2014年のアタック山陰北陸で低体温症にかかったことを契機に、体温をできるだけ高く維持することを意識しています。

*7:筆者はブルベ3年目です。

*8:僕が勘違いしていたのは、自分が作ったルートラボの地図がそういうルートで設定していたから。キューシートをきちんと見て作成していれば、今頃こんなアホな理由で失敗することは無かったはず。

*9:疲れからか、脳内のBGMはやたら明るく、スカパラとかが流れていたのだけれども、多分気のせい。

*10:なんでまーりんさんは広島にいるはずなのにここにいるんだ…?別の時間軸にいるのだろうか。いやマジで。