さわらいど

さわらいど

ブルベ6年目の大学生→社会人。主に自転車ロングライドが中心。山形転勤おじさん。酒田の地から。

陸上競技の装備について。

自転車界隈の知り合いが、とても面白いことを言っていた。

「なんで短距離種目なのに、みんなジャラジャラなネックレスを付けて走ってるの?」

100分の1秒を競う短距離種目なのに、なんで付けててめちゃくちゃ動くネックレスを着用しているのだろうか?という話し。正直初めて世界陸上を見ていた時、僕も全然理解できなかった。邪魔じゃん。首の周り動き回るじゃん。と。

だけど、陸上競技―特にここでは短距離種目だけど―を実際にやってみると、スピアーモンみたいに、あそこまでジャラジャラしたものはどうかと思うけど、気持ちはわかる。あの邪魔なネックレスとかは、走っている人たちにとってお守りのようなものだったりする。

 

昔、走っていた時に、後輩か友達か忘れたけれどミサンガを貰って、足首に巻いて走っていた時期がある。ブルーとピンクの糸で出来ているミサンガは、もちろん走るときに動きまわってて、空気抵抗の邪魔になっていただろう。だけども、当の本人は空気抵抗のことなんて気にしていない。寧ろ、取り外したらタイムは出なかったかもしれない。いや、出なかっただろう。嬉しさややる気の原動力になるのだ。

ああいうネックレスは、その人にとってモチベーションの原料だったり、精神的支柱だったりする。たとえ15g邪魔になっていたとしても。

そういう意味で陸上競技はヘンテコだ。

ウェア・シューズメーカーが長年の歳月をかけて、空気抵抗を10%減らすようなウェア・重量を5g軽くした靴が開発され、トップ選手はその装備を使うにも関わらず、選手は40gの非効率的で一見邪魔なネックレスを着用していたりするのだから。物理的な効率性よりも、精神的効率性とでも言うべきか。

とても矛盾に満ちているのだけれども、そこがまたこの競技の面白いところなのだとお思う。